まるの韓国ドラマ備忘録

自分が観た韓ドラだけのあらすじ・ネタバレ・感想・OSTなどをツラツラと…♡あぁ、韓ドラ愛が止まらない…♡

はちどり

◎はちどり◎

・2018年
韓国映画
・DVD、Blu-ray

 

 

 

*キャスト

ウニ(パクジフ)
ヨンジ(キムセビョク)
ウニの父親(チョンインギ)
ウニの母親(イスンヨン)
ウニの姉スヒ(パクスヨン
ヨンジの母親(キルヘヨン)

 

*あらすじ&ネタバレ

中学2年生で14歳のウニは、集合住宅で家族と暮らしていた。
通っている学校になじむことができず、何とも言えない気持ちを抱える日々…。
そんなウニの通っている漢文塾に、大学休学中のヨンジが先生としてやってくる。
この出会いから、ウニは次第に心を開いていくが…!?
少女の繊細さや舞台となった1990年代の韓国が描かれているヒューマン的韓国映画です。

 

 

 

*感想あれこれ&見どころ

はちどりは、韓国内や海外の映画祭で50以上もの賞を受賞したこともあり、かなり話題になったなのだとか。
個人的にここ最近韓国映画を観る機会も出てきたものの、長編の韓国映画は初めてでした~。

この映画を知った時にやっぱり気になるのは、このはちどりというタイトル。
このはちどりというタイトルは、世界で最も小さい鳥だと言われているはちどりからつけられているのだそうです。
ざっくりと説明すると、この一生懸命なはちどり=ウニ、といった感じ(本当は、もっと素晴らしい説明がなされているんだけど、ここでは割愛。)

 

 

そんなはちどりは、内容的には全然明るいわけではなく、喪失感をはじめとした、とにかく様々な重さ、暗さ…つまりディープさを常に付きまとっています。
ストーリー的には、淡々と、何ていうんでしょうね、物静かに展開されていくというか。
はちどりならではの独特な世界観が、しっかりと長編映画ならではの長さに詰め込まれています。

この何とも言えない時代、女性だから…女性だから…なんていういわば家父長制度ど真ん中な時代が描かれているので、それは仕方がないのかもしれません。
でもね、本当に、何だろう…この時代にとってはこの状況が当たり前だったのだろうけれど、とにかく何とも言えない違和感も付きまといました。
家族の中でも、ウニくらいの子供であれ、父親に敬語を使っているシーンも、何とも言えない気持ちにさせられました。
もちろんこの当時はこれが当たり前だという風潮(女性だから仕方がない、とか)があったから、これが普通だ、という状況なのだろうけれど…ん~やっぱり違和感、違和感極まりないという。
というかね、もう息が詰まるよ!!!こんなしゃべり方でこんな堅苦しさ全開!な食卓でご飯って…!
楽しい家族での団らん的な食卓とはかけ離れていて、本当にこんな空気で食卓毎日囲っていたら、苦痛だよ…1人で食べたくなるよ…なんて。
まあこれはあくまで個人的に感じたことですが、こういう苦しいというか息が詰まる状況が思いっきり苦手な自分は、そう思ってしまいました。

 

 

こんな感じで、家族団らん♪という状況とはかなりかけ離れている食卓のシーンですら、何とも言えない気持ちを抱えてしまいましたが、
まだまだこの何とも言えない気持ちを抱えるシーンは、たくさんあります。
もうね、このじわじわとくる苦しさが淡々と繰り広げられていくので、辛かったら離脱もありなのかもと思ってしまったほどです。
だから、ある意味社会に影響を与えた、社会風刺な韓国映画だというもの納得できたりするわけですが…。

で、こんな風にこの時代背景云々…ばっかり綴っていると、本当にそればかりで終わってしまいそうなので、この話題はいったんここで置いといて…。

ウニは漢文塾に通っているのですが、そこで出会ったヨンジ先生のお陰で、ウニも少しずつ変わっていきます。
いやー学校で馴染めない状態のウニが漢文塾で、心を開ける先生に出会うことができて本当によかったね、と。
ウニが入院中にヨンジ先生がかけた「殴らればかリではダメ、立ち向かう時は立ち向かいなさい」(言葉のニュアンスはちょっと違うかな?)という言葉。
この言葉も、ウニの人生を変える言葉の一つに確実になったんじゃないかな。。

だからといって、ヨンジ先生とはいきなりべったり!というわけではなく、程よい距離感でウニは静かに慕っているという感じも、またウニらしいしヨンジ先生らくて、
この2人のこの何とも言えない絶妙な見守り距離感(?)も、結構色々な気持ちにさせられました。
なんだかんだ、ヨンジ先生って優しいよね、そしてそんなヨンジ先生だったからこそ、ウニも心を開いていったのではないかな~と思って言います。

 

 

こんな感じで決して明るい展開ではないものの、なんとなく淡々と展開されていくから、そんなに衝撃的な展開はないだろう、ただこのまま何とも言えない気持ちを抱えて、ウニの葛藤を見守っていって終わりだろう。
そう思って観ていたので、結構個人的には衝撃的な結末を迎えてしまってびっくりしました。

あのソンス大橋崩落事故が、まさかここにつながっていたなんて…!という衝撃。
個人的には、スヒが無事でよかったねで終わって、ウニがヨンジ先生に会いに行った時、ヨンジの母親の姿から勝手に自殺しちゃった(もしくは病気)のかなという予想もちらほらと頭をよぎっていたりしたんです。
そしたらあの事故につながっていたなんて、衝撃でした。

ヨンジ先生がいなくなってしまったウニの世界。
そんなウニの世界でも、今までのヨンジ先生との過ごした日々を支えに、たくましく負けずに生きて行ってほしいなと感じた映画でした。

そんなはちどりのOSTは、それぞれの何とも言えない淡々とした世界観をたっぷりと演出するBGM的楽曲が、この世界観をたっぷりと演出していました♪

 

 

はちどりは、パクジフやキムセビョクが共演していました。
特にパクジフは、この映画で大きな注目と話題を呼び、時の人となったようですね♪
はちどりの映画監督は、キムボラなのですが、キムボラもこの映画でさらに大きな注目を浴び、話題となりました。
キムボラ自身も、この作品が長篇映画としては初めてで、女性が映画監督になるのは難しいとさえ感じていたということもインタビューで語っていたようです。

世界中が注目し、50をも超える受賞をした映画はちどりは、しっかりと映画界に爪痕を残しました。
淡々と展開されていく中、何とも言えない気持ちに思わずなってしまう、独特な世界観のある韓国映画でした!